仮想通貨のビットコインとかで使うサイドチェーン(Side chain)とは一体何なのか?

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最近ではブロックチェーンとは別にサイドチェーンとかいう技術がいろんな仮想通貨で使われ始めていますが、これを使うことでどんなメリットがあるのか?どういう仕組みなのか?
今回はそういったところを掘り下げて調べてみましたので、解説します。

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サイドチェーン(Side chain)とは

一言で言うと、数本のブロックチェーンを合体させた状態の奴。

例えるなら、生活道路の横に設置された産業道路のようなものです。

生活道路では、ほぼすべての車両が道路を利用できますが、大型車両やバス、さらにはダンプなどが大量に入ってくると、渋滞やそもそも通れないなんてことが起きます。・・・当たり前ですね。

それを防ぐために生活道路とは別に工場や企業専用の産業道路をすぐそばに設置して、車両の種類によって道路を区別します。
もちろん、完全に分けられていると不便なので、互いに行き来できるように入り口と出口があります。

こんな感じで、ざっくり技術的な解釈を抜きにして話すと、ブロックチェーン(親チェーン)を生活道路とすると、サイドチェーンはそばに敷設された専用車両の役割を果たすものとしてみてもらっていいと思います。

ブロックチェーンでは、その一本で今まで様々な情報を伝達する手段として期待されてきましたが、今は現実的に考えてブロック容量の限界からすべてをそれで補うことには限界があると言われています。

容量を上げる手段もありますが、そうするとブロックチェーン全体をいじる必要があり、いわゆるハードフォーク(分岐)が起こる可能性があるため、そう簡単には拡張できません。

この辺は今、仮想通貨界で話題に上がっているスケーラビリティー問題っていうやつですね。

サイドチェーンの仕組み

サイドチェーン(sidechain)は、2014年にBlockstreamという団体によって初めて実装に関するホワイトペーパーが発表されました。

当初の発表の際に挙げられたサイドチェーンの使い方は
アルトコインの代用
サイドチェーン上で独自通貨の発行
の二つ。

この方法での技術的内容は下のホワイトペーパーを参考にしてください。
blockstreamホワイトペーパー

ブロックチェーンとサイドチェーンの接触部分、すなわち相互にデータを受け渡す仕組みを「2way peg」(双方向ペグ)と呼びます。さっきの道路でいう出入り口ですね。

ちなみにこのpeg(ペグ)には一方方向のみの一方向ペグ「one-way pegging」と双方向ペグ「two-way pegging」(2way peg)の二種類が存在します。

これによって情報を仕分けて、例えば取引履歴を親チェーンで流して、もう一方はその他のスマートコントラクトや匿名性などの付属情報を伝達させたりできます。これならわざわざブロックチェーン自体に色々機能を持たせる必要がなくなりますね。

サイドチェーンの構造や技術に関しては、次の記事でも詳しく説明されていますので、こっちも参考にしてください。
サイドチェーンについての簡潔な解説
ビットコイン(Bitcoin)のサイドチェーン技術の紹介

サイドチェーンのマイニング

マイニングがある場合、サイドチェーンはブロックチェーンと同じく、別にマイニング(もしくはそれ以外の認証方法)が存在します。この合意アルゴリズムは必ずしも同じである必要はなく、親チェーンにPoW、サイドチェーンにPoSなどの手法を用いることができます。

なお、この場合はそれぞれのブロックチェーンでマイナーにマイニングをしてもらう必要がありますが、Merged Mining(マージマイニング)と呼ばれる方法を活用すれば、一人のユーザーが両方でマイニングを行うことができます。

サイドチェーンのトークン移動

情報もそうですが、ブロックチェーンとサイドチェーンでトークンの移動もできます。
厳密には

双方向ペグ「two-way pegging」では、親チェーンのトークンをいわゆるロック状態にして、サイドチェーンでトークンを生成します。親チェーンに戻す場合はサイドチェーンのトークンを消去して、ロック状態を解除します。
一方向ペグ「one-way pegging」では、親チェーンのトークンを再利用不可能なアドレスに送信して、その分新しいトークンを生成します。これを一般的にProof of Burn(プルーフオブバーン)と呼びます。

なお、移動してできたトークンは元の通貨の代替物として利用できます。

サイドチェーンの活用例

ビットコイン(Bitcoin)でも、活用が期待されている技術ですが、すでにアルトコインや草コインでは実装されているものもあります。

まず、有名なものでは仮想通貨LISKがこれを活用しています。

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サイドチェーンを個別に利用して、それぞれ違ったDAppsを構築してそこにスマートコントラクトを実装することで、イーサリアムみたいにブロックチェーン一本に負担をかけずに済みます。サイドチェーンは構造上それで一本のブロックチェーンとして活用できるので、実質LISKにはたくさんの独立したプロジェクト(アルトコイン)を作ることも可能です。

また、変わった使い方としては最近プロジェクトが発足した「Liquid」(仮想通貨QASH)があります。

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サイドチェーンが他のブロックチェーンを繋がることを利用して、親チェーンのビットコインと1対1で交換できる共同のビットコインをサイドチェーン上に導入して、「流動性プール」を構築しています。

道路でいうところの中央環状線みたいなものでしょうか。あらゆる取引所の仮想通貨をこの技術を利用して瞬時に移動できるそうです。

一方向peg(ペグ)の「Counterparty」

ビットコインのブロックチェーンを利用した「Counterparty」(カウンターパーティ)と呼ばれるトークンは、さっき説明した一方向ペグ「one-way pegging」を利用したものです。

一方向ということで、実質ビットコインを犠牲にして、独自の通貨を発行するというものです。

犠牲という意味は、そのままビットコインを破棄して、その分の価値の通貨「XCP」を発行するというもので、これはProof of Burn(プルーフオブバーン)の代表的な一例です。

その代わり、ビットコインのブロックチェーン上に新しいプロジェクト(トークン)を作ることができるため、ビットコインの信頼性などの恩恵を受けることができます。

この方法を使うとその発行した通貨にスマートコントラクト機能をつけることもできます。

一見不利に思える一方向ペグ「one-way pegging」も、こういう方法で利用をすれば実用的な使い方ができます。

サイドチェーンのデメリット

複数のサイドチェーンでのマイニングにおいて、マイニング報酬に偏りが生じると、それに伴ってマイナーにも偏りが生じてしまいます。そりゃ報酬が多い方に人が集まるに決まっていますね。

そうなると、マイナーが少ないサイドチェーンでは少人数でのハードフォーク(分岐)など、いろんなリスクが出てくるわけです。

これを防ぐためにさっき言ったマージマイニング(merged mining)などの手法を取り入れるわけです。

あとは、サイドチェーンがたくさん繋がったブロックチェーン自体にマイニングパワーが集中するという事態も考えられます。サイドチェーンが多いとその分承認作業も個別に必要になってきます。

ちなみに、BTCブロックチェーンなどを利用してサイドチェーンを作成する際にはビットコイン開発者の承認とはいらないみたいです。

子チェーンとサイドチェーンの違い

サイドチェーンとは別に子チェーン(Child Chains)というものがありますが、これは仮想通貨Ardorのプラットフォームで使われる造語のようです。

機能面では子チェーンの方がより親チェーンに依存するようで、セキュリティーなどもより託す形になるようです。
そのほかの技術的な違いに関しては以下のサイトを参考にしてください。
子チェーンとサイドチェーン

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