ビットコインが最近やっと反発しましたね。
つられて、他のアルトコインもだいたい10%くらい反発上昇しています。
さて、現状の仮想通貨はいずれもスケーラビリティーと処理能力の向上を目指していますが、未だFacebook、Amazon等にあるような大量のトランザクションを迅速に処理することはできません。
そんな中、今回は、なんと1秒あたり100,000件のトランザクションを目標にしているらしい仮想通貨のプロジェクト「IOStoken(IOST)」を紹介します。
目次
IOStoken(IOST)の基本情報
最大供給量:21,000,000,000 IOST
ネットワーク:ERC-20、イーサリアム
システム(アルゴリズム):Proof-of-Believability
公開日:2018年1月11日
開発:IOS財団(シンガポールの非営利団体)
公式:iost.io
ホワイトペーパー:docsend.com
公式ブログ:medium.com/@iostoken
The Internet of Services(IOS)は、オンラインサービスプロバイダにとって安全で拡張性のあるインフラストラクチャを提供します。 その高いTPS、スケーラブルで安全なブロックチェーン、およびプライバシー保護は、オンラインサービスプロバイダが顧客基盤を提供できる無限の可能性を提供します。
総発行枚数は210億 IOSTで、そのうちの52.5%の約110.3億 IOSTが循環供給量となります。
プロジェクトの背景としては、FacebookやAmazonなどの集中化された巨大なオンラインサービスプロバイダーに対して、それらの膨大な処理ができるブロックチェーン技術を提供して、低い手数料、プライバシー、不正行為防止などの検閲の仕組みを導入させようと目指しているようです。
ホワイトペーパーの冒頭には、1秒あたり100,000件のトランザクションに対応するようなことがさらっと記載されていますが、これが実現できれば、今のVizaカードの処理能力の何倍もの規模になります。
Proof-of-Believability(信用証明)とは
PoWでは、実質コンピューティングパワーの大きさでブロック生成者が決まります。
PoSでは公平を期すため、全てのトークン保持者にランダム的要素等で、その権限が与えられます。
(PoSには種類があります)
一方で、Proof-of-Believability(PoB)では、PoSで使われるようなバリデータのランダムな選出方法に、ブロック証人者本人の評価(トークン残高、コミュニティへの貢献、レビューなど)が考慮させるようになっています。
この評価方法はbelievability score(信憑性スコア)と呼ばれ、スコアが高くなると信頼性のあるグループに分けられます。
そして、最終的にはそのグループ内のバリデーターからランダムにブロック生成者が選出されます。
一方でこれが低いグループは、信頼性の低いグループとなります。
二つのグループは、それそれで役割が違います。
信頼性の低いグループ(normal league):雑用、最終確認処理
信頼性のあるグループでトランザクション処理を実行して、そのあとに信頼性の低いグループがトランザクションをサンプリングして検証し、最終性を保証します。
信頼性の低いグループは、「ByzCoin」に基づくビザンチンコンセンサススキームを実行します。
(ByzCoinはビザンチンコンセンサスプロトコルの事)
※ここでもし、この信頼性のあるグループで不正が検出された場合は、システム内のすべてのトークンと評判が失われますが、一方で不正使用されたユーザーは損失を補償されます(ここは詳しく書いてない)。
なお、全ての処理はPBFTコンセンサスに基づいて進められます。
IOSトークン(IOST)の用途
すべてのトランザクションにおけるバリデーターへの手数料と、通常あるような交換の媒体として機能します。
その他、トークン自体は信憑性スコアを計算する上で重要な役割を果たします。
※すべてのIOSトークンはGenesisブロック(一番最初のブロック)で生成されます。
Serviと呼ばれるシステム
PoSの従来あるいろんな問題を解決する仕組みとして、IOSトークンとは別に、Serviと呼ばれる別の評価基準数値を提唱しています。
通常トークンとは別の数値であり、専用のトークンです。
Non-tradable(譲渡不可):
通常のトークンでできる交換機能が備わっていないため、いかなる方法でも譲渡はできないようになっています。
Self-destructive(自己破壊):
ブロックを検証した後、システムはバリデータが所有するServiのバランスを自動的にクリア状態(初期化?)にします。
このようにして、信頼性スコアの高いノードはブロックを検証する際に順番に処理を行い、権限が重ならないようにします。
Self-issuance(自己発行):
コミュニティサービスの提供、他の団体によって提供されたサービスの評価、またはその他の特別貢献など、特定の寄付が行われると、Serviは自動的に生成され、ユーザーアカウントに寄託されます。まさにコミュニティー奉仕です。
Distributed Randomness Protocol(分散ランダムプロトコル)とは
ノード選出者の決めるための専用の分散乱数ジェネレータ。
次の要件を満たすような仕組みになっています。
(1)不正な参加者(クライアントとサーバーを含む)に特定の比率で耐えられる。
(2)最終乱数は無視できない確率を除いて、偽造不可能(一様ランダム)でなければならない。
(3)不正な参加者は、参加者を好む乱数を生成するために複数回試みることができない。
(4)第三者は、プロトコルを忠実に実行することによって出力が生成されることを検証することができる。
Efficient Distributed Sharding(効率的分散シャーディング機能)とは
名称長いですね。略すとEDSです。
シャーディング(分割)は最近ブロックチェーン界で流行りだした方法ですね。
そのため、最近の手法では、処理部分をシャーディング(分割)して、それぞれで並行してトランザクション処理を実行していくことで、処理能力を向上させたりしています。
IOSでは、この方法を「Scaleout」と呼ばれる方法で処理しており、各ノードがシステム内の1つのシャードを担当するようにできています。
未使用トランザクション(UTXOs)は、対応するシャード内のノードのメモリに格納されます。
処理部分はこのシャードによって幾つかのグループに分けられており、それぞれで処理を実行するようにできているようです。
グループ分けにはシャード割り当てプロトコルである「TransEpoch」というものが使用されます。
各トランザクションで発生する、ノードの処理環境によるばらつきは、一貫性を保つために「Atomix」というプロトコルに頼ります。
HUDS(Hyper Universe Distributed System)とは
データストレージサービスです。
P2Pネットワーク上で信頼性の高い分散ストレージを提供して、集中保存でのリスクを低減します。
ユーザーとサービスプロバイダの両方は、ダウンタイムや検閲なしで、ネットワーク内の複数のノードにファイルやメタデータを格納できます。
IOSは分散インデックス(検索フォーム的なやつ)を成形するので、HUDSに提供された情報とデータを検索して使用できます。
IOStokenの将来性とロードマップ
要するに、ブロックチェーンの処理能力の部分に関しての向上をさせるためのプロジェクトがこのIOSになるみたいです。
今のところはイーサリアムネットワークを利用しているみたいですね。
このプラットフォームを使えば、開発者が膨大な数のユーザーをサポートできる大規模なプロバイダーサービスなどのdAppを展開できるようになると言われています。
3月29日には、公式アナウンスでGithubの公開予定報告とPrivate Testnetの稼働を開始したようです(medium参照)。
ここで報告されたトランザクション処理はなんと8000TPS。
世界一の処理能力を持つVISAカードのシステムで平均スループットは4000~6000tps(トランザクション/秒)と言われているので、この数値はかなりすごいのかと。
ちなみに公開テストネットは、2018年第2四半期末(7月くらい)にリリースされる予定です。
Githubは4月9日に一部が公開されています。
ロードマップ上では、2019年の第2四半期にネットワーククライアントウォレットをローンチし、第3四半期にはα版のIOSネットワークをリリースするようです。
IOStokenの取引所
海外の取引所
Binance
Huobi.pro
Bitfinex
など。
大きな取引所にも上場しています。
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