仮想通貨でいうPoSとかプルーフオブなんとかとか、いろいろな認証方式があると思いますが、実際それがどうなっているのかそもそも一体なんのことなのかわからないことがあるんで、ちょっとここでまとめてみました。
目次
- 1 まずコンセスサスアルゴリズムとは
- 2 PoW(Proof of Work:プルーフオブワークス)とは:作業による証明
- 3 PoS(Proof of Stake:プルーフオブステークス)とは:保管による証明
- 4 PoI(Proof of Importance:プルーフオブインポータンス)とは:重要性の証明
- 5 PoC(Proof of Consensus:プルーフオブコンセスサス)とは:合意の証明
- 6 PoB(Proof of Burn:プルーフオブバーン)とは:消滅の証明
- 7 PoH(Proof of Human-work:プルーフオブヒューマンワーク)とは:人の仕事による証明
- 8 その他のコンセスサスアルゴリズム
まずコンセスサスアルゴリズムとは
日本語では合意の方法。
銀行で言うところの入金手続き。または送金手続き。
その中でどうやって職員が手続きしているか?
その手続き内容自体が仮想通貨でいうコンセスサスアルゴリズムの部分になります。
銀行では利用する側としてはただ銀行側を信用するしかないですが、仮想通貨界ではそういうわけではなくちゃんとその認証方法を公開しています。
具体的に言うと、ほとんど(※)の仮想通貨は中心管理者が不在、もしくは投票などで選ばれている人たちで構成されているので、その人たちの合意で成り立ってます。それで、合意・承認した人たちは承認報酬として少しの仮想通貨をもらうことができます。
で、報酬はどっからもらうかというと、普通は自動的にプログラムで新しく通貨が作られてそれが報酬になります。
銀行でいう通貨発行ですね。
つまり、
このコンセスサスアルゴリズムでは
通貨の発行
この二つをこなしているシステムということです。
(すべての仮想通貨がこれとは限りませんが)
※ほとんどというのは、中にはもっと変わった形でこの承認方法を行なっている仮想通貨もあるからです。
PoW(Proof of Work:プルーフオブワークス)とは:作業による証明
もっとも有名なコンセスサスアルゴリズムです。
この方法については数多くのメディアでわかりやすい説明がされていますので、ここではある程度で省きます。
例えばtottemoyasashiibitcoinとか。
これは典型的な銀行業務みたいな感じに近いと思います。
仮想通貨ではコンピュータで承認作業を行ういわゆるマイニングなどがこれに当たります。一度設定してしまえばあとは電気代を犠牲にして、勝手にどんどん承認作業をしてくれます。
ちなみにマイニング作業は個人でもできますが、ビットコインに関しては参入者が多すぎて素人がやっても電気代が無駄になるだけのようです。
その一つの理由として、費用がかかりすぎるわりに報酬が少ないこと。
また、承認を任せるコンピュータ装置では「ASIC採掘機」などが代表的な専用装置ですが、これ自体がとても高価なものなので装置を揃える段階で多大な費用がかかります。
例ASIC Bitcoin Miner:700000円
もっとも現在では、大人数のグループでマイニングを行うのが一般的で、その際に利用されるサーバはマイニングプールと呼ばれています。大手ではAntPoolなどが有名。
逆に新しい仮想通貨にこのPoWが採用されている場合、それをマイニングする人がいないと「銀行員がいない銀行」とほぼ同じ状態になります。なので、最近ビットコインからハードフォーク(分岐)などで分岐した通貨でも人が集まらなくて不安定になったりしてますね。
51%攻撃
ちょっと難しい話になりますが、この方法のデメリットのひとつに「51%攻撃」というものがあります。
ブロックチェーンの仕組み上、このPoWでの承認方法では多数決によってことの真意が決められます。
(つまりプログラムでは完全にはことの真意は決められない)
もし、不正データが発行された場合でも通常はマイナー(マイニングする人)が徒党を組んで集団で不正しない限り、数多くの良識のあるマイナーによってそれは防がれます。
しかし、最近のマイニングブームによって大規模なプールが中国を中心に何箇所か出来上がっていて、それらが万が一集団で不正をした場合、嘘のデータでも承認される恐れがあります。(技術的な話は難しいので割愛)
一見想像しがたい話ですが、現実には今のマイニングプールは中国の大手3プールで半分くらいを占めています。
また、ビットコインのマイニング自体もどっかの大きな企業が本気を出せばほとんど独占できると言われていますし、あながち無理な話でもないようです。
詳しい話は下のサイトにも載ってます。
51%攻撃を技術の話ぬきで説明すると
PoS(Proof of Stake:プルーフオブステークス)とは:保管による証明
掛け金による証明とも言われます。
持ってるだけなので、別に大型機械とかはいらないし、高機能なコンピュータも費用としません。
一応メリットとしては
一部のプロの専門グループのマイニングによる利益の集中化の防止
電気代の節約
51%攻撃防止
などがあります。
ただもうこの方法を聞いてわかる人はわかると思いますが、単純に通貨を買い占めれば金持ちがその権限を独占できます。
なので、新しく出てくるプロジェクトのほとんどはPoSを採用する時には何らかの対策方法を追加しています。
例えばPeercoin(ピアコイン)は「Coin Age」という概念を入れていて、保有量に保有年数を組み合わせて、持っている期間も権限に影響するようにしています。さらにこれに加えて、一度承認すると自動的に保有期間がリセットされる機能を入れています。
こんな感じで、いろんなプロジェクトがこの方法にアレンジを加えたりしてます。
PoI(Proof of Importance:プルーフオブインポータンス)とは:重要性の証明
これは会社でいう社内成績に似ています。
例えばNEMユーザーの重要性は、所有しているコインの数とウォレットとの間の取引の数(トランザクションの処理量)によって決まります。
つまり、どんだけ通貨の流通に貢献したかでその人の承認権が変わっていきます。
PoC(Proof of Consensus:プルーフオブコンセスサス)とは:合意の証明
リップル(Ripple)ネットワークで採用されている承認方法。
この方法は信頼できる一部の承認者(validator:バリデーター)による投票で承認が行われます。
そして実際にはその承認者の管理はRipple Inc.が行ってます。
つまり、もっとわかりやすく言うと、Rippleがほぼ承認していると言っても過言ではないと僕は思ってます。
そのRipple自体は現在各国々で採用されてますし、国内でも大手が採用する話が出ています。
ここが一方的に権力を持つかどうかは別として、ここまで有名になったプロジェクトが詐欺じみた行為をするとは思えないでしょう。
不安がある人はリップルのまとめサイトを見てもらうといいかもしれません。
PoB(Proof of Burn:プルーフオブバーン)とは:消滅の証明
今までのはとにかく取引の承認権を得れば報酬として通貨がもらえるような仕組みのものばかりでした。
これは今までのものとはちょっと違います。
具体的には使用不可能なアドレスに通貨を送ってもらって、そのかわりとして権利を与える方法となってます。
ちょっとわかりにくいので具体的な例で話します。
仮想通貨Counterparty(カウンターパーティ)はトークン:XCPを発行して独自の通貨を作ることができるプラットフォームです。
これを利用して新しく独自の通貨を作る(発行する)ときに、自分が持っているビットコインなどをPoBで燃やして、それを代償に発行することができます。
こちらは他のコンセスサスアルゴリズムと同じ「通貨の発行」になりますが、他の方法と違って公平なトークンの供給ができます。
Proof of Work:取引の承認で発行した通貨をもらえる
Proof of Burn:通貨を消滅させることで発行した通貨をもらえる
これは通貨の新規発行に視点を置いていて、他の方法よりも公平な通貨の配布を目的にしています。
このようにコンセスサスアルゴリズムは、単純に取引の監視のみに使われるわけではなく、他にもいろんな方法が存在します。
PoH(Proof of Human-work:プルーフオブヒューマンワーク)とは:人の仕事による証明
Proof of workで解く問題を「CAPTCHA」の一種を使って人がその計算をするというものです。
「CAPTCHA」っていうのは上のようなもの。
こんな感じで「コンピュータには解けず、人間には解ける」ものにします。
詳細な情報:joemphilips.com
人が問題を解くだけなので、経済的には断然有利です。
ただし、仕組みが単純なため、将来的に色々と問題がある模様。
その他のコンセスサスアルゴリズム
他にもいろんな方法が開発されています。
その通貨独自のものもあって説明が難しいのもあるので、詳細な情報は割愛。
PoA(Proof of Access:プルーフオブアクセス)とは:???の証明
PoAアルゴリズムは、確定的にランダムに選択された前のブロックからのデータを新しいブロックの計算に本質的に組み込みます。 このシステムは、鉱夫が利用できるArchainの量が建設的に採掘に費やす時間の量に正比例することを意味します。 さらに、PoAシステムは、鉱山者がネットワーク内の他のノードによって広くミラーリングされていないブロックを格納することを奨励します。 このようにして、システムは、ブロック織り上のすべてのブロックの均等な複製を確実にするために自己組織化します。
archain.orgより
PoA(Proof of Asset:プルーフオブアセット)とは:資産の証明
PoAプロトコルは、EthereumとInterPlanetary Files System(IPFS)を利用して、一連の資産を追跡します。
これにより、中央データベースなしで資産の存在を公開して公開することができます。 Digixはまた、他のアプリケーションを当社の資産トークン化サービスの上に構築できるようにするAPIを提供しています。
digix.globalより