素朴な疑問で、ビットコインよりも機能面で優れているリップルコインや、NEMがなぜこんなに安いのか?
そういう言葉を耳にすることがよくあります。
たしかに値段だけを見ると、今のビットコインの価格は1BTC=数十万と高額なのに対して、ほかのアルトコインと呼ばれる通貨はすべてそれ以下の値段。
少なくとも日本で知られる頃からは、今までの間一度もビットコインの価格を超えたことはありません。
理由はいくつかありますが、その中でも大きく関わっているものをいくつかピックアップして解説していきます。
なぜビットコインが下がると他のコインも下がるか?
これはよく言われることですが、市場でビットコインの価格が下落すると、一般的には他のすべてのアルトコインや草コインが下がる傾向にあります。
これの原因はすでに他のところでも言われているとおり、
みんなが通貨の変換で使うから
これです。
各取引所で使われるペアでこのビットコインが基軸通貨として使われる他、ICOで資金調達するにもこのビットコインが使われることが多いです。
それだけ今の仮想通貨市場はBitcoinに頼り切っているとも言えます。
そんな中で、ビットコインの価格が下がれば、専門家でなくても他の通貨に悪影響が出ることは予測できますね。
一方でそういった場面で使わざるを得ないから、今のビットコインは嫌でも価値が高くなります。みんなが持っていれば当然その分価値は高くなります。
供給量の問題
前にもこのサイトでちらっと、このことに関しては説明しています。
Bitcoinが通貨である前に、その2100万枚という、通貨としては非常に少ない数量から、ダイヤモンドや金などといったような希少鉱物と同等の価値がある「モノ」としても認識されています。
※使用不可能なウォレットに送ることで事実上の破棄(burn)は一応可能です。
また、この通貨は最初からすべての通貨が出回っているわけではなく、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれる一連のプロセスを経て、少しづつ市場への流通量は増えていきます。
現在はすでにその70%以上がPoWによって採掘されていて、その殆どは大口投資家の元にあります。
そのみんなが希少価値があるということを理解しており、今後も上がることを期待して手元においておくために、実質ロックアップに近い状態になっているはずです。
※ロックアップは開発元が強制的にトークン一部を一定期間、使えなくすること。主に通貨価値をあげる目的で行う場合が多い。
つまり数量が少ないとその分、通貨の価値が上昇する傾向にあるってことですね。
試しにどっかの仮想通貨の時価総額ランキングなどを見てもらえば分かるはずです。
通貨の総発行枚数順で並び替えると、通貨の量に反比例して、通貨価値がきれいに上がっています。
実際の価値はこれにさらに人気度が関係します。
いちばん有名なビットコインは供給量も少ないために、今の価値まで上昇しているものだと思われます。
使いやすさと価値は別問題
RippleやNEM、イーサリアムなど、ビットコイン以外にも使いやすい通貨はいくらでもあります。
使いやすいから採用されて、価値があがるのは当然の結果でしょう。
しかし、例えば、価値の高い金より鉄のほうが世の中で使われているように、仮想通貨界でもコイン自体の価値と使いやすさは別々の部分にあります。
Bitcoinの今の価値は、投資や投機の部分に偏っているのが現状です。
結局のところ、機能的に使いやすいものは、安くて大量にあるようなものになる場合がほとんどのため、現状の1BTC=100万円前後もして、価格変動が激しいビットコインは現実的には使いづらいということになってきます。
逆に、今のRippleやNEMが万が一、ビットコインのように価格が高騰して、1コインで何万円もの価格になるようであれば、企業がそれらを採用するかどうかは再度考え直すはずです。
もっとも、流通量の多さから今のそういったコインがビットコインのように高騰する確率は低いはずですが。
[ad]