法定通貨の価格に合わせて同じ数値を維持する通貨のことをペッグ(peg)通貨って言います。
仮想通貨ではTether(テザー)のUSDTが有名です。似たようなものは他にもあって最近ランキング上位に出てきたのが今回の仮想通貨Makerです。
目次
仮想通貨Maker(メイカー:MKR)の基本情報
最大供給量:1,000,000 MKR
システム(アルゴリズム):イーサリアム、ERC20
公開日:2017年11月25日
開発:MakerDAO
公式:makerdao.com
ホワイトペーパー:makerdao.com
Dai Stablecoin(ペッグ通貨)は、担保に裏付けられた暗号通貨であり、その価値は米ドルにペッグされます。安定的なデジタル資産であるDaiは、 ブロックチェイン技術の可能性を最大限に引き出します。 Makerは、Ethereumのスマートコントラクトプラットフォームで、そのDaiの価値を裏付け、安定させます。
仮想通貨ランキングでは現在(2018年2月7日)、35位付近。
価格は現時点(2018年2月7日)で1MKR = 95000円程度です。なんか高いです。
ペッグ通貨のDaiの裏付けの管理として、イーサリアムのスマートコントラクトを利用しているものがこのMakerのようです。
ただ、実際に担保して提供するのものはEtherトークンです。
MakerとDaiの関係
MakerプラットフォームのMKRトークンは、独自のスマートコントラクト「CDP(Collateralized Debt Positions:担保付債務ポジション)」でDai Stablecoinを生成するための手数料として使うようです。
MKRトークンはこの他に、Maker Platformのガバナンスにおける重要な役割を果たします。
これは、Makerプラットフォーム内部のリスクパラメータなどのリスク管理と、システム変更権限を持つ「アクティブ・プロポーザル」をMKRの投票により決定させます。
プロポーザルは、シングルアクションプロポーザルコントラクト[SAPC]とプロポーザルコントラクトの委任[DPC]の2つの形式があります。
CDP(Collateralized Debt Positions)
これはMaker独自のスマートコントラクトで、ユーザーがまずこれを作成することで、DaiをMakerプラットフォームで生成することができます。
CDPは、ユーザーが入金した担保資産を保有し、このユーザーがDaiを生成することを許可しますが、生成すると負債も発生します。
この債務は、CDP内に預託された担保資産を事実上保護します。その後、同額のDaiを返済します。その時点で、所有者は再び担保を引き出すことができます。 アクティブCDPは常に過剰担保であり、担保価値が債務の価値よりも高いことを意味します。
ちなみに現時点での担保は「Pooled Ether」(PETH)という1つのタイプの担保のみをサポートしています。
つまり今の時点では、Daiを生成したいユーザーは、まずPETHを入手する必要があります。
ETHに突然の市場暴落があり、CDPが担保の価値よりも多くの負債を含む場合、Maker Platformは自動的にシステムを資本化するためにPETHを希釈します。 これは、各PETHの比例請求が下がることを意味します。
簡単な手順
その後、Daiを生成するために使用される担保の金額と種類を別のトランザクションで送信します。
この時点で債務が解消されるまで担保にはアクセスできません。
目標レートフィードバックメカニズム(TRFM)
TRFMは、Dai Stablecoin Systemが目標価格を調整し、市場力が目標価格を中心に大市場価格の安定性を維持するようにする自動メカニズムです。
このメカニズムによってペッグ通貨Daiは、常にペッグしている通貨に合わせて値動きし、ボラティリティが低下し、ある程度の安定した価格を実現します。
またこのシステム内に、目標レートの変化の大きさを決定するパラメータとしてSensitivity Parameter(感度パラメータ)というものがあります。
Global settlement(グローバル決済)
これはMKR voters(MKR有権者)と呼ばれる一定の権利を有するものが、ハッキングやセキュリティ侵害、システムのアップグレードなどの重大な緊急事態が発生した場合にのみ実行できる権限で、ユーザーの資産を保護しながらMaker Platformをシャットダウンし、正常に巻き戻します。
なお、プロセスは完全に分散化されています。
OasisDexとは
OasisDexはMakerによる借入と活用による分散型ERC20(オン・チェーン取引型)取引所です。
すでにα版としてサービスが開始されています。
Makerの将来性
Tether(テザー)では、通貨の裏付けである資産の行方が疑われていますが、このDaiトークンはそれとは違い、参加ユーザー(MKR保有者)が投票によってMakerを介してリスクの管理ができ、また大部分はスマートコントラクトによって制御されているようです。
個人的には、いろいろと不安な点が多い前者よりはこっちの方がまだ信頼できそうです。
参考情報:support.okex.com
一方でチャートを見ると、このMaker自体の価格は周りに比べてそれほど暴落の影響を受けていないようですね。
とはいえ、現状ではあまりにも情報が少ない上、特に何かしらのニュースがあるわけでもないので、信用できるかどうか適切な判断ができないです。
Makerの購入方法
海外の取引所
gate.io
EtherDelta.com
現時点では上記のみで扱っているようです。
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