僕は昔から仕事やプライベートでイラレ(Illustrator)とフォトショ(Photoshop)を使う機会が多く、MacBookやiMac、Windowsなどの様々な環境下で作品を制作してきました。
もうすでに暦は7年くらいになり、手足のようにすらすらと使えるようにはなりましたが、やっぱり初めて触った時は何が何やらさっぱりわからずに苦戦を強いられた思い出があります。
このページでは、立ち上げ方も分からないくらいの超初心者向けに、入門的な感じで基本操作の方法から実際の作成部分までを画像を使って解説していきます。
なお、動作環境はMacで、使用ソフトはIllustrator CS4~CC 2018での解説になります。
目次
イラストレーターのソフトの購入方法
ます、初めて触る人に言っておきますが、このソフトはPCにダウンロードして使うタイプで、ソフト単品と、付属する専用のシリアルナンバーが必要になります。
(シリアルナンバーは2次配布防止のためのものです。)
通常は公式で購入した時に両方ついてきます。
購入にあたって、
もともとイラストレーターのソフト自体は永久ライセンス版の購入ができるようになっていて、CS5までのソフトはパッケージ版の店頭販売や、公式サイトで手に入る状態でした。
しかし、2012年に発表されたIllustrator CS6からは「Adobe Creative Cloud」というクラウド経由のダウンロード形式になり、なんと悲しいことに「月額版のみ」でしか使用できなくなっています。
最新版のIllustrator CCは公式サイトadobe.comから使用手続きが行えるほか、ビックカメラなどの店頭での手続きもできます。
Illustrator単品での価格は月額2180円、年間だと26,160円となっています(2018年4月時点)。
プランは年間プランと月々プランの2種類から選べますが、年間プランの方が安くなっています。
ちなみに旧バージョンであるCS6以前のものは、公式ではすでに扱っていないため、購入するにはほかの中古サイトや非正規取扱店を利用するしかありません。
購入はできませんが、ソフトウェア自体のダウンロードは公式でも一応できます(ただしシリアルナンバーが必要)。
(注意として、正規取扱をうたうサイトがあるようですが、公式サイトでは扱っていないことをちゃんとアナウンスしていますので、騙されないように)
非正規での購入は、中古からの購入がほとんどになります。
もっとも、あまりお勧めはしませんが、現状はその方法しかないようです(もちろん購入は自己責任で)。
なお、正規購入に関しては個人価格とは別に学生価格というものがあります。
個人価格に対して、こちらは年間(一括)でなんと11,760円と半分以下の値段で購入でき、しかも学校卒業後も永続してこの価格で使うことができるようです。
僕がCS4を買った時もこの学生割引を使ったので、通常の半額以下で購入できました。
バンタンデザイン研究所やHALなどの専門学校を利用している人はこの説明を受けているはずです。
ちなみに、現在はイラストレーターCCの無償体験版があり、試しに使ってみたい人は一定期間の間だけ簡単に使えるようになっています。
イラストレーターのバージョンによる違い
僕の場合、CSからCCまで一通り触ったことがありますが、追加機能が数点備わったりしている以外にはそれほど大した違いはないように思えます。
CCぐらいから、見た目に多少の違いはありますが、基本的な操作方法は同じだと思ってもらえばいいです。
イラストレーターの基本操作方法
それでは、基本的な使い方や操作の詳細な内容を説明します。
ここではすでにソフトをダウンロードした後の操作について解説していきます。
まずはソフトをクリックして立ち上げますね。
最初の画面は鼠色一色の画面か、もしくは初心者用に中央画面に「新規作成」のボタンが配置されているはずです。
どっちでもいいんですがとりあえず慣れるために、ここでは「ファイル」から「新規…」選択して作成画面を立ち上げてみましょう。
画像編集以外の操作(保存や印刷など)は全部この上のバーの一覧から行うことになります。
すると、「新規ドキュメント」っていう画面が出てきます。
これは作った作品を紙やWebサイトなど、どの媒体で使うかで選びます。
ここでは紙に印刷することを前提に、ドキュメントを選びます。なので、とりあえず「印刷」からA4でも選んでおけばいいでしょう。
ちなみにこの項目は後から変更できますので、それほど悩まなくてもOKです。
作成の準備はこれで完了です。
あとは実際に作品を作っていきます。
イラレで絵を書く、文章を打つ
基本中の基本である線で絵を描く方法と文章を打つ方法です。
正直な話、イラレの内容のほぼすべては、この線と文章で構成されているので、これさえマスターすればあとは細かいテクニックを磨いていくだけでイラレ使いになることができます。
作成に使うツールの選択は右にある「ツール選択パネル」から選んで使います。
各ツールの設定は右にあるようなツールの詳細設定の欄「プロパティ」から設定します。
基本的にはすべてのツールがこの方式をとってますので、一度慣れるとかなり楽に扱えます。
あと、「プロパティ」が何も表示されない場合も、「ウィンドウ」→「プロパティ」の選択(チェック)すれば出てきます。
イラレで線を書く
それでは、まずは線を書いてみましょう。
基本的には右側にある「ペンツール」を巧みに使って線を描いていく方法が一般的です。
イラレの線はすべて点(アンカーポイント)と線(パス)でできています。
そのため、最初に点を決めて線を伸ばす方法で形を作っていく必要があります。
また、イラレの曲線はちょっと特殊で、点を打った時にボタンを離さずにそのままドラックして離すことで、「ハンドル」という曲線の方向を決める補助線ができます。
そのハンドルをいじることで、曲線の曲がり方(ベジェ曲線)を決めることができます。
これは、慣れるまである程度時間がかかるかもしれません。
このハンドルはあとから点をクリックしていじることができます。
そういえば、「プロはこのハンドルの操作方法が他とは違う」っていう話を昔聞いたことがあります。
そのくらいこのベジェ曲線は奥が深い部分になります。
最終的な終点は、最初の点につなげることで一つの形が出来上がります。
線をこれ以上繋げたくない場合や線だけにしたい場合は、途中で別のツールに切り替えるとそこで線が決まります。
また、線自体はdeleteキーで消すことができます。
「四角」と「中が空洞の四角」が重なっていますが、「四角」は線の中の色、「中が空洞の四角」の方が線自体の色になります(初期は白と黒)。
最初に書いた線をツールパネルの一番上の「選択ツール」でクリックして選択。
そのあとにその「塗りと線」の部分をクリックしてそれぞれ色を指定してやると、色が付きます。
点と線を部分的に選択するには、その下にある「ダイレクト選択ツール」を使います。
イラレで文章を打つ
ただ、出版社や雑誌の編集で使う場合は、直接編集画面をクリックして指定するやり方よりも、ある指定したボックス内に収まるように文字を書く方法が一般的です。
ここでは一例として、四角枠内に文字を打つ方法を紹介します。
まず、ツール選択パネルにある「長方形ツール」を使って適当な四角形を作ってください。
次に「文字ツール」を長押しして、「エリア内文字ツール」を選択します。
あとは作った四角の端っこをクリックすると、その四角内で文章が打てるようになります。
最初にCCを使い始めた時に、「詩が生れて、 山路を登りながら、智に働けば角が立つ〜ウンタラカンタラ」っていう文字がでますが、これはサンプル文字のようです。
Illustratorの「環境設定」→「テキスト」にある「サンプルテキストの割り付け」欄のチェックを外すことで、サンプル文章を表示させなくできます。
テキストの下の方にあるチェックを外す。
その他の機能
他にも様々な機能がありますが、ここではとても紹介しきれないので、割愛します。
公式サイトにチュートリアルがちゃんと載っていますので、そちらをみると詳しい使い方がわかるようになっています。
helpx.adobe.com
かなり丁寧に解説しているようです。昔こんなのってあったかな・・・。
初心者がイラストレーターの腕を磨く方法
会社等ででイラストレーターを使いこなすための練習方法としては、ランサーズやクラウドワークスにあるようなイラストの公募やコンペ(コンペディション)に参加する方法がかなり有効的です。
僕もひと昔前はかなりやってました。
コンペや公募自体はただ作品を書いて提出するだけでいいので、非常に簡単で、おまけにうまくいくと報酬がもらえます。
一番の長所は、初心者やプロが入り乱れて参加するため、作品のレベルの違いを判断する目を養うことができるところ。
慣れてくると、この作品は初心者が書いたもの、これはプロのもの、っていう感じにパッと見て作品のレベルが判断できるようになります。
最終的に選ばれた作品もみることができるため、どのようなものが客に喜ばれるのかもわかります。
初めて触る人だったらまず絶対にやっておいて損はありません。
学校だけではデザインでお金を稼ぐ方法は学べないので。
初心者から使えるオススメのイラストレーター本
初心者にお勧めするイラストレーターの参考書は2冊です。
ぼくの経験上、はっきり言ってこれ以外は必要ありません。
一つ目はスーパーリファレンス。
これは仕事等で使うなら、まず最初に買うべきものです。
その辺の参考書で迷うくらいならこれ一択でOKです。
なぜならツールの基本操作方法のほぼすべてが載っているから。
通常参考書の類は一部の手法をピックアップして長々と書かれてものがほとんどですが、リファレンスに限っては本当の意味で教科書に近い内容で書かれています。
このリファレンスは初心者からプロの人も使うもので、ぼくのデザイン会社にも数冊置いてました。
その辺の参考書とは作りが違うのは、本の厚みを見てもわかるはずです。
2つ目は応用参考書。
実際仕事としてイラレで行う作業のほとんどは、Webのロゴ作成や、雑誌作成の補助的な作業です。
また、ロゴに関してはその見た目以上にかなり奥が深いため、仕事としてやっていくには正直ずっと勉強し続ける必要があります。
基本的なテクニックは下のようなロゴをピックアップした参考書を一冊は持っていた方がいいでしょう。
ここのテクニックを使えるか使えないかでは、仕事でも大きな差が出ます。
Illustratorで作る ロゴ・マークデザインブック 【CS6/5/4対応】
デザイン会社へ転職する方法
デザイン会社への転職に関して。
これはどうしても専門学校へ行っていた人が有利にはなります。
ただし、実際の応募と面接では他の通常の面接とは違い、ポートフォリオの提出が要求される場合がほとんどです。
ここで、他の学校へ行ってた人の作品と違うものを提出することで、他の参加者との格の違いを見せることも可能です。
つまり、やり方は簡単、実績を残せばいいだけです。
ここで、さっき話したコンペや公募の話が出てきます。
クラウドワークスや、ランサーズで会社向けに作った作品が認められれば、それは個人にとってかなりのステータスになります。
この辺の実績は会社によっては学校に行くことよりも重要視されることもあります。
逆に個人で勝手に書いた作品に関しては、あまり重要視されない傾向にあるようです。
※やり方自体は簡単って言いましたが、実際認められるのは簡単ではありません。
まさに実力社会って感じです。
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