5月16日、Circle社から自社開発のCENTREというオープンソース・ソフトウェアから、法定通貨に裏付けられるコイン、ここでは米ドルのペッグ通貨として”US dollar coin”と呼ばれるコインを発表しました。
coindesk.com
この発表に関しては、同じく米ドルのペッグ通貨として機能しているテザー(tether)で起こっている問題を解決する目的があるそうです。
また、このコインを使うことで、他の関連事業者では”US dollar coin”を裏付けとした独自の仮想通貨を発行することもできるとしています。
非常にディープな内容なので、一つ一つ説明していきます。
まず、このCircle社というのは、デジタル決済サービスを展開しているスタートアップ企業であり、仮想通貨関連ではCircle Invest(サークル・インベスト)という専用ウォレットアプリをリリースしています。
残念ながら、今現在の日本ではこのアプリを使うことはできませんが、アメリカではニューヨークなどをターゲットとして規模を拡大しつつあります。
ただ、この会社が一番注目されている部分はそこではなく、同社が今年2月に大手仮想通貨取引所であるPoloniexを買収しているところにあります。
このPoloniexといえば、アメリカの取引所の中でも特に古株の部類に入る超有名所として知られているはずですが、ここ近年でいろいろとセキュリティー面などに問題があって業界シェアを落としてきていました。
おそらく今後はCircle社の傘下の取引業者として、こういった問題も解決して事業を拡大していくはずです。
CENTREに関しては、Circle社が2017年10月から開始しているデジタルウォレット同士の送金方法として提案しているオープンソースのソフトウェアです。
P2Pという言葉がありますが、ここではウォレット・ツー・ウォレットという言葉を用いて異なるウォレット同士で資産を取引するビジョンが想定されているようです。
このソフトウェアの技術を使って考え出されたのが今回の“US dollar coin”です。
ここでいうペッグ通貨とは、何かしらの法定通貨に価値を保証されているトークンやコインのことで、それ自体に固定された価値が生まれます。
現在主流として扱われているテザー(tether)では、この裏付けに関して何かと不明瞭な点が多く、中にはこのコインには裏付けが無いという意見もあるようです。
tether自体はそもそも民間企業で立ち上げているプロジェクトなので、国の保証などもないため、こういった問題が起きるのは当然のことだとは思いますが。
“US dollar coin”のホワイトペーパーなどの詳しい情報はまだでていないため、どうやって補償させるのかなどはまだはっきりしていませんが、国のバックアップが無い限りはスマートコントラクトなどの技術的な方法で強制的にペッグさせるしか無いと思います。
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