結局、リップルの正体は何なのか、あんまり公にならない情報をまとめてみた

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最近リップルに関する話題が多いですね。
当初はビットコインじゃないそれ以外の仮想通貨である、ということくらいしかわからなかったボクも、段々とその詳細な情報がわかってきました。

rippleとxCurrentの違いは何?
RippleNetとxViaの違いは?
そもそもrippleはどこで手に入るの?
rippleは何するための通貨のなの?

リップルに関する情報はたくさんありますが、実際rippleに関係する情報が多すぎて、どれがどういう風に関わってるのかわからない人が結構いるようです。

今回はそのへんの情報を整理して、どれがどういった関係にあるのか、わかりやすく解説していきたいと思います。

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rippleとは?

この記事でも大昔にリップルの話題は挙げています。

仮想通貨Ripple(リップルコイン)とは、なんなのか? 特徴や将来性、チャートなど
近年、仮想通貨としてビットコインが人気を伸ばしつつありますが、その陰で別の種類の仮想通過(暗号通貨)Ripple(リップルコイン)が密かに認...

基本的な情報はそこでも解説していますが、この通貨はもともとBitcoinのように支払いに使う通貨ではありません。

今でもアルトコインでの料金支払いを採用している会社のほとんどは、この通貨での支払い方法を採用していませんね

このリップルの最も有効な使い方は、種類の違う通貨と通貨の両替にあります。

プロジェクト自体は、2004年にRyan Fugger氏によって考案された決済プロトコルとなります。
ビットコインが2009年に誕生したとされるので、それより前にできたものと言うことになりますね。

現在の開発はアメリカ:カルフォルニア州のソフトウェア企業Ripple Inc.がそのシステムの開発拡大を進めています。

リップルは会社の名前ということになります。

そしてこの通貨、たしかに決済には使いますが、電子マネーとしてではなく、あくまで両替の範囲にとどまります。

構成は、
分散型台帳であるXRP Ledgerネットワークがあり、
合意アルゴリズムのプルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus:PoC)を利用して、
そこで使われるネイティブ通貨のリップルコイン「XRP」が、
2通貨間のブリッジ通貨として仲介的な機能を果たす
というもの。

※ネイティブ通貨とは、ネットワーク上で必要な通貨という意味でこれがないと成り立たなくなる。
※合意アルゴリズムとは、取引を承認するための方法で、大人数で一つの正しい答えを導き出すための手段。

rippleの仕組み

リップルにもビットコインと同じようなブロックチェーンの仕組みが採用されています。

例えば、Bitcoinであれば、取引情報(Transaction)を入れるブロックがあって、それがノード(PCとか)が行うマイニングによって承認されて、鎖のように繋がって改変されることのない履歴を形成していきます。
一方で、リップルは取引情報(Transaction)をレジャー(Ledger)と呼ばれる入れ物に入れて管理し、それをバリデーター(Validator)と呼ばれる承認専用のノードが承認することでXRP Ledgerネットワークの履歴に残っていき、長い鎖を形成します。

これを利用した国際送金ネットワークはRippleNetと呼ばれ、この仕組を実用化したモデルでは、以下の3つのソフトウェアが使われています。
・xCurrent:銀行など、法人向けのRippleNet接続ソフトウェア
・xRapid:XRP通貨を利用したブリッジ送金のソフトウェア
・xVia:一般企業向けのRippleNet接続ソフトウェア

インターレジャー・プロトコル(ILP)とは

コネクターと通信するためのプロトコルで、各ソフトウェアの補助的な役割を果たしているようです。
構成として、暗号エスクローと呼ばれる取引の仲介機能が備わっています。
あとに説明するxRapidやxCurrentもこの技術を使ったソフトウェアになっています。

xRapidとは?

採用情報としては、2018年2月にこのxRapidを利用して、国際送金大手Western Union送金のテストを開始しました。
また、米国の国際送金サービス大手のMoneyGramでも、同じようにこの技術を採用したと言われていますね。
ripple.com/jp

これは簡単に言うと、交換機能の部分だけのソフトウェア。

もともとあるXRP Ledgerの仕組みをそのまま利用したソフトウェアがこのxRapidになります。
当初のプロジェクトを実用的にしたものともいえますね。
そのためにこの仕組ではちゃんとリップル(XRP)も使っています。

ただ、実用化に関しては変更点があったようで、XRP Ledgerに新たにインターレジャー・プロトコル(ILP)と呼ばれる機能を追加して作成しています。

もともとブリッジ機能(受け渡し)として、IOUと呼ばれる一種の送金の証明書的なものを発行して、それをXRPで接続することで異種通貨間の受け渡しをしていました。
しかし、この部分は変更され、今はIOUはイシュナンス(Issuance)と呼称され、以下のようなプロセスで交換が実行されています。

送金元→JPYレジャー→コネクター(JPY/XRP)
コネクター(USD/XRP)→USDレジャー→送金先

それぞれのレジャーでは、暗号エスクローと呼ばれる仲介機能があり、口座間の残高の振替を管理します。
最終的にふたつのコネクターをXRP Ledgerに接続して、そこで交換が実行されます。

イシュナンスの役割:
実際のXRPはゲートウェイと呼ばれるripple以外の会社が保持しています。

そのため必然的にこの送金システムを使用するには、そのrippleを会社から借りる形でブリッジ機能を利用する事になります。
ここで、イシュナンスは借用証書の役割を果たします。

ここでもし、ゲートウェイが倒産した場合、イシュナンスの価値が無くなるので、その辺のことを考えても、rippleが中央集権的であるといえます。

xCurrentとは

2018年4月にサンタンデール銀行が、このxCurrentを用いて、顧客向けに国際決済サービス「Santander One Pay FX」を開始することを発表しています。

先ほど説明したxRapidはあくまで交換機能に特化した部分です。

xCurrentは、銀行間の接続(コネクト)に特化した機能を持つソフトウェアです。

ただし、勘違いしがちな点として、ここではブリッジ通貨のXRPを使用しません。

また、最終的にxRapidに接続するとの予測が建てられているだけで、現状は銀行間でのみの接続となっています。

そのために、リップルコインとの直接的な関係は今のところないように思えます。

構成要素は以下の通り

MESSENGER:
支払情報を送るためのメーセージ機能
KYCとリスク情報、手数料、為替レート(該当する場合)、支払詳細、予定されている資金送金時期を交換できます。

VALIDATOR:
バリデーターは、さっき話した承認者です。
この部分がxCurrentの中核を担っているようです。

ILP LEDGER:
この技術では、インターレジャー・プロトコル(ILP)の機能も採用しています。
そのため、xRapidと似た動きをするようですね。

FX TICKER:
為替(FXレート)の考慮をここで行うようです。

公式の説明を見る限り、送金システムはxRapidと接続されずに独立して動くようです。

xViaとは

上記に対して、こちらは法人以外の中小企業でも使えるような、簡単な仕組みを搭載したソフトウェアです。

上記のものとは違い、ソフトウェア自体をインストールせずとも使うことができ、RippleNetに参加できます。

こちらはまだ実用例はなく、公式の説明も他に比べて簡素なものになっています。

ネットワーク上では末端の部分に該当するようで、「xRapidやxCurrentが存在するネットワークに接続する手段」という考え方になると思います。

まだ、テスト段階にあるそうで、詳しい情報も乗っていないですが、おそらく、単体での稼働もせず、それ自体にInterledger Protocol(ILP)を乗せているわけではないみたいです。

リップルコインは必要なのか?

ここで疑問が生まれます。
さっき話したxCurrentでは、XRPを使っていないのに、XRP Ledgerと同じ送金技術として成り立っていること。

もともとXRPトークン自体は、ほかの仮想通貨のプロジェクトのように必ずしも手数料として使わなければいけないわけではなく、メインはブリッジに使われるためのトークンとして存在します。

そのため、すでにこれを使わずにxCurrentのような送金システムを開発している時点で、今のリップルコイン自体に価値はあるのか?というところにたどり着きます。

現にさっき話したサンタンデール銀行の件では、xCurrentを使って顧客向けの送金システムを開発している情報があります。

確かに技術力はすごいんでしょうが、肝心のXRPに関してはこの辺とどう絡んでいくのかがまだはっきりと見えてきません。
公式によると、最終的にはxCurrent、xRapid、xViaをすべて統合してRippleNetを完成させることを述べているようです。

これに関しての別の意見として、xRapidのブリッジ機能は、途上国における送金の流動性コストを低減するためにXRPを使用する、という考え方もあります。

xCurrentよりもxRapidのほうが送金コストが安くなると考えていいのかもしれませんね。

そしておそらく、一番の違いもこの部分にあると予想しています。

xCurrentとxRapid、xViaのぞれぞれの違い

一通り説明しましたが、これらの違いをまとめます。

xRapid:
仮想通貨XRPを使った通貨交換システム
現状はripple社のバリデーターによる取引承認を採用している
手数料と速さに特化し、途上国をターゲットにしている
xCurrent:
銀行などの大手で専用に使われる送金システム
現状はripple社のバリデーターによる取引承認を採用している
XRPコインは使わない
xVia:
上記2つを含むRippleNetに接続するための手段

Interledger Protocol(インターレジャープロトコル:ILP):
xRapid、xCurrentの基礎で使われる仕組み

rippleはブロックチェーンじゃない?

ここで、もっとも注目スべきはそのリップルだけが採用しているであろうPoCという合意アルゴリズム。
同じ種類のものではPoW(プルーフオブワーク)やPoS(プールオブステーク)などがありますが、ここの使っているものは会社関係者が取引を承認するPoCという方式のもの。

具体的には以下のようになってます。

Proof of Consensusにしたがって、取引情報(Transaction)が入っているレジャー(Ledger)をバリデーター(Validator)とよばれる取引承認者の代表の8割が承認した場合にネットワークに鎖のように記録されます。
バリデーター(Validator)は、UNL(Unique Node List)と呼ばれる承認者のリストに入っていますが、現在これを選任するのはリップル社です。

このように、現段階ではリップル社の人間が取引を承認している状態です。

つまり、言ってしまえば、集中管理されている銀行業務と大差ない状態だといえます。

公式では、不特定多数のノード(参加者)に、この承認作業をいずれ譲り渡すとされていますが、その際のインセンティブ(報酬)がはっきりと明記されていないため、今のマイニングのように積極的に参加する人はいないんじゃないかって言われています。
ripple.com/technical-faq-xrp-ledger

これが原因で、一部の意見ではこの仮想通貨はブロックチェーンではない、との意見が出ています。
ちなみにbitFlyerなど、国内のほぼすべての主要取引所が参加する日本ブロックチェーン協会では、このブロックチェーンの定義を以下のように公表しています。jba-web.jp

1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」

ここでの「不特定多数のノード」という部分に該当しないことがわかります。

同じくwikiにもこの定義が参照として記載されているため、やはり同じ部分で「あれ、ブロックチェーンじゃない?」って結論に至る場合があるようです。

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