3月19日に世界最大規模のSNSサイトであるFacebookから、利用者のうち、5000万人以上の個人情報が第三者へ意図的に流出されました。
流出にかかわった会社は、米大統領選でトランプ陣営が契約した英データ会社であり、選挙コンサルタントを務めた「ケンブリッジ・アナリティカ」とされており、同社はフェイスブックのデータを無許可で収集し、2016年の米大統領選を含む選挙で有権者に影響を及ぼすソフトウェアを構築していたとのことです。
reuters.com
具体的には、英ケンブリッジ大の研究者が2013年に制作したクイズアプリに、外部からFB登録者の個人情報を閲覧できる機能が備わっていたとされ、それをダウンロードした約30万人のFB利用者を通じて、数千万人分の個人情報が閲覧できる状態になっていたことが明らかにされています。
21日には、これに対してFBのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が、「我々の過ちだった。こうしたことが二度と起きないようにする」と謝罪する声明を出していますが、すでに同社が問題を把握してから2年以上が経過しており、その間は一方的に情報が閲覧できる状態だったようです。
フェイスブックへの影響は
このことに関しては、3月23日に米電気自動車メーカーのテスラと宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏が別のユーザーからの指摘によって、両社の公式ページをフェイスブックから削除しています。もっとも、その際はそもそも公式サイトがFB上にあること自体を把握していなかったようですが。
cnn.co.jp
フェイスブックCEOがデータ保護策を発表
3月21日、このことを受けて、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はユーザーのデータを今以上に厳密に保護するための具体的な措置を講じる構えを示しています。
・同社が2014年に方針を変更する前に大量のデータへのアクセスが許されていたアプリを全て調査、応じないデベロッパーは追放する。
・デベロッパーの行為に問題が見つかった場合、影響を受けたユーザーに伝える。
・同アプリを3カ月間使っていないユーザーのデータにデベロッパーがアクセスできないようにし、ユーザーがアプリにサインインする際に収集される情報の種類を減らす
・どのアプリに自分のデータへのアクセスを許可しているのかユーザーが理解できるようにする。
・利用したアプリを提示し、それらによる情報へのアクセスの許可を容易に取り消すことができるツールを今後1カ月以内にニュースフィードの一番上に表示されるようにする
bloomberg.co.jp
ただ、すでに基本的なルールとしての「顧客保護」を偽った事実があるので、この改善措置によってどのくらいプライバシーが守られるのかはユーザー側としては不明瞭であり、根本的に信頼自体がすでに非常に低くなっているので、いくら「対策を講じる」としても無意味な行為になる可能性もありますね。
そして、このことは他のSNSや企業でも例外ではなく、結局のところ、世間にばれなければいくらでも収集した情報を第三者へ流出できることが示唆されています。
権力者による情報管理の恐ろしさ
現状ではほぼすべてのネット上のアカウントは、当然ですがその登録企業にさらされており、住所や電話番号などはアカウントを作る際には100%企業に閲覧され、その企業内、あるいは第三者で勝手に利用されます。
身近な件で言えば、あるサイトへ登録した途端に関係のないメールや勧誘の電話がある場合など。
今回のFBの件では世界的に大企業のために大々的に公表されてはいますが、実際のところ、このような自体は日常茶飯事で起こっていると思います。
おそらく、一般人としては正直どうでもいいっていう人もいるとは思いますが、よく考えると、知らない人が「自分のあらゆる情報を知っている」ことはとても恐ろしいことです。
分散管理による情報管理へ
話は変わり、この情報譲渡に関して。
現在では、世界規模でブロックチェーンによるシステムの運用が検討されています。
中でももっとも期待されているのがスマートコントラクトによる人の手が加わらない情報管理であり、すでに国内でも大手企業が試験段階までこぎつけています。
今後はブロックチェーンによる分散管理が主流になりとされており、すでにgoogleなどでは同技術の開発が行われているとも言われています。bloomberg
今後は情報一つでも、一方的な「強いもの」からの権限での公開や操作ができなくなるようなシステムが構築され、多数決主体での情報管理が主流になりつつあります。
[ad]