一時期、ビットコイン(Bitcoin)のハードフォーク(分岐)ラッシュがありましたね。
ハードフォークっていうのは超噛み砕いて話すと、仮想通貨から別の新しい似たような通貨が誕生することを指します。
ビットコインで有名なものではビットコインキャッシュ(BCH)や、ビットコインゴールド(BTG)などがありますが、その中に混じってBitcoin Unlimited(ビットコイン・アンリミテッド)っていうものをちらっと見かけました。
僕も、最初はこれもビットコインのハードフォークだと思ったんですが、どうにもそういうわけではないようですね。
目次
Bitcoin Unlimitedとは
スパッと話すと、
Bitcoin Unlimited(BU)は、Bitcoinネットワークのフルノードソフトウェアクライアントです。
Bitcoin Unlimited/wikiより
これじゃあ何言ってるか分からないので、もっと簡単に説明すると、
ビットコインの初期設計図である「Bitcoin Core」の改良品バージョン
といえば、まだわかりやすいかと思います。
フルノードとクライアントって何?
サイトによっては小難しい解説をしているところもありますが、仮想通貨に関していえば、仮想通貨の専用ウォレットをPCに落として使い始めた時点でそのPCはノードとしてみてもらってもいいと思います。
ただし仮想通貨でいうクライアント(タイプ)っていうのは仮想通貨のサービス(機能)自体をインストールして搭載したコンピュータのことを指します。
例えば、WebウォレットっていうものはWebサーバーからサービスや機能を受け取って使用するウォレットですが、クライアント型ウォレットっていうものはサーバーは繋がずにコンピュータ自体にサービスや機能を直接落とし込んだタイプになります。
それで、フルノードクライアントっていうのは、文字どおり、完全にすべての機能やデータをコンピュータにインストールしたコンピュータのことです。
Bitcoin UnlimitedとBitcoin Coreの違い
それぞれクライアントウォレットであり、ノードであり、設計図です。
Bitcoin Coreに関してはビットコインのウォレット保持者であれば聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
とにかく重いっていうことで有名なウォレットですが、それもそのはず、だってBitcoin Coreは今までのブロックチェーンの記録をすべてコンピュータにダウンロードする仕組みになっていますから。ちなみに話によると、ダウンロードには数日かかるとの話もあります。・・・僕はもちろんダウンロードしません。
同じく、Bitcoin Unlimitedもクライアントウォレットの分類に入りますが、機能面で色々と違います。
一番の違いはブロックサイズの制限を1MBに固定していないこと。
この仕組みを「Emergent Consensus(EC)=エマージェント(突発的)コンセンサス」と呼びます。
これは、固定していない代わりにマイナーが他のユーザーの75%以上の合意を得て、ブロックの上限値を個別に設定できる仕組みです。
現在は、ビットコインキャッシュ(BCH)がこのソフトウェアクライアントを採用(8M)していますが、その代わりに取引のサイズ圧縮方法であるsegwit(セグウィット)は採用していません。
Bitcoin Unlimitedのメリットは
Emergent Consensus(EC)によって自由にブロックサイズが変更できるので、スケーラビリティーの問題解決の一つとして考えられます。また、ブロックサイズの拡大はマイナーの利益拡大にもつながります。
Bitcoin Unlimitedのデメリットは
可変的なブロックサイズのため、ブロックチェーンの途中でいきなり変更になる可能性が出てくるということが指摘されています。そうなると普通ならハードフォーク(分岐)になるんでしょうね。
btcnews.jp
それといくら分散型とはいえ、マイニングプールなどの偏りがある現状では派閥によってユーザーが振り回される可能性もあるのかもしれません。
Bitcoin Unlimitedはハードフォークではない
というわけで、ブロックチェーンが途中で分岐したハードフォークとはちょっと違うって話でした。
ちなみにBitcoin Coreの開発者は、ブロックサイズの制限を増やすことを嫌っていたそうで、一時は完全に分裂する寸前だったらしいです。今はビットコインキャッシュの土台になることで、マイナーの支持を得ようとしているようです。
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