VeChain(ヴィチェーン:VEN)とは? VeChainThorとの関係性や仮想通貨の特徴や将来性、チャートなど

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ブロックチェーンの透明性を利用して、物流関係に役立てるプロジェクトがあったので、今回はそれの紹介をしてみます。

ちなみにこのプロジェクトはリブランドと同時にトークンの種類が増えており、色々と勘違いや混乱している人がいるようなので、その辺も含めて解説していきます。

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仮想通貨VeChain(ヴェチェーン:VEN)の特徴

通貨名(通貨単位):VeChain(VEN)
※後にティッカーはVETとなる予定
最大供給量:867,162,633VEN(約8億枚)
ネットワーク:イーサリアムベース、ERC20
システム(アルゴリズム): Proof of Authority(PoA)
公開日:2017年8月15日
公式:企業サイトvechain.com
公式:プロジェクトサイトvechain.org
開発プラン:cdn.vechain.com
ホワイトペーパー:vechain.com.whitepaper

VeChainは、製品や情報の世界をリードするブロックチェーンプラットフォームです.VeChainは、自律分散して拡張するブロックチェーンテクノロジに基づいて、信頼性の高い分散型のビジネスエコシステムを構築するよう努めています。

情報では、VeChainを運営する財団は、2017年7月にシンガポールに設立された非営利団体です。
ICOで集められた基金は、VeChainの開発やプロモーション活動に従事するVeChainスポンサー企業に活動費として当てられます。

内容を見る限り、このプロジェクトの主な目的は物流で運ばれるブランド商品の品質保証や食品安全性の透明化など、物の信頼性に関わる部分に透明性の高いブロックチェーンの導入を推進することのようです。

簡単に言うと、ブロックチェーンの信用情報を組み込んだチップを商品と一緒にして、客先や小売店などに搬送することで、盗難やすり替えが合ってもチップの情報で本物かどうかを判断するという方法を考えているようです。

もともとブロックチェーン自体が、一度入力した記録内容を塗り替えることができないので、埋め込んだチップ自体も改ざんできず、事実上購入元にとっては世界に一つの商品となります。

理論上はズルしてチップを外してもバレるし、すり替えてもバレる・・・。
かなりいい考えだと思います。

この企業では、ブロックチェーンの活用にあたり、デジタルチップタグ技術の開発や、周辺機器の開発も一緒に行っています。
チップはすでに世の中で使われているRFID、NFC、QRコードなどの識別用の通信装置に採用されます。

すでに公式サイトではこれらのチップを開発していて、写真も載せています。
例えばワインボトルなんかに使うチップは、見た目はただのシールにしか見えないんですが、しっかりとブロックチェーンとつながっている情報が基盤に入っていて、外部は紙でコーティングされています。

VeChainThorへのリブランド

2月26日に、VeChainは名称をVeChainThorへ変更してリブランド化を図っています。

まだ、変更後間もないため、ほとんど関連した情報が無いですが、今後はメインネットをこのVeChainThor(VET)に移して、ネイティブトークンもあとから話す2種類のトークンに置き換わります。

まだ、メインネットへの移行はできていませんが、このリブランド化の発表から、今後の発展以降をApotheosis(アポロシス)と呼称しているようで、イーサリアムのアップデートのように定期的に段階を踏んでいくみたいです。

ネットワークはすでにテスト段階にあり、5月18日からはこのVeChainThorのα(アルファ)テストが始まっています。

“VeChainThor アルファテストが今日から始まります!
複数の専門家のセキュリティ企業によるテストに加えて、我々は Hackproof プラットフォーム上でプライベートバグバウンティプログラムを開催します。”

メインネット起動後のプロジェクトの視野は大きく広がり、今までのような物流・サプライチェーン関係の他、今のイーサリアムのようにそのプラットフォームを利用したDapps(分散型アプリケーション)を構築する機会を他のユーザーや企業に提供します。

また、これに先立ち、VeChainチームはすでにVeVid(VeChain Verified Identification)と呼ばれるアプリケーションを構築しています。

これは参加メンバー内の個人の識別データを登録、認証、監査して、VeChainのすべてのユーザーのKYCの記録媒体として機能します。

つまり、ブロックチェーンの個人IDカードみたいなものですね。
プロジェクトを作成してすぐに実用的なものに構築するあたりを見ると、かなり行動力があることがわかりますね。

・・・どっかの和の国も見習ってほしいものです。

更に今後はあたらしく別のアプリを2つ開発する予定を立てているようです。
一つはVeVotと呼ばれる企業の投票申請に使われるアプリで、もう一つはVeSCCと呼ばれるVeChainブロックチェーン上に構築されたスマートコントラクトの認証申請アプリです。このVeSCCは新しくユーサーが作ったアプリの動作などを審査するためのアプリケーションになるようですね。

元のプロジェクトの主な導入内容

どのように導入するかの具体的な事例
最初の公式文章に書かれているもので、メインのプロジェクトになります。

食品安全:
輸入食品の安全性の確保方法、偽造防止法の確立。
ブロックチェーンのワイン追跡および認証サービスプラットフォームは、生産プロセスの各段階でワインの各ボトルを監視。

ラグジュアリー業界:
ブロックチェーンでの品質保証、偽造防止の方法としてブロックチェーンの導入。
固有のデジタルIDとNFC(タグ)の付いている製品を接続

自動車業界:
車のメンテナンス記録を紙からブロックチェーンへ変更。
具体的には、固有IDに基づいて各車のデジタルプロファイルを作成、スマートコントラクトにより管理。

小売業界:
公式では経験経済という言葉を使っています。
これは、簡単にいうなら「ネットで買うよりお店で買ったほうが楽しい」という気持ちにさせる方法。
商品自体にIDを割り当ててボタンひとつで一つのプレゼンみたいなことをさせることが可能になるそうです。

農業産業:
有機農業認証のためのブロックチェーン対応クラウドサービスの導入。
生産プロセス全体の透明化。

物流:
コールドチェーンロジスティクスへの応用。
これは、低温管理状態での物流方式のこと。
ブロックチェーンとIoTとの組み合わせで、常に温度や湿度を管理しつつ、透明な情報も記録できることが可能になります。

VeChain IDの作成とハッシュ:
VeChain IDは、製品ごとに使用するNFC・QRコード・RFIDタグに書き込まれる前に、ハッシュ化されるランダムIDを生成するSHA256関数を使用して作成されます。

ブロックチェーンへのVIDの格納:
アクティベーションは、「V-Operation」というカスタムメイドのソフトウェアを使用して実行されます。
このソフトウェアは、モバイルオペレーティングシステムまたはデスクトップオペレーティングシステムで実行できます。

ブロックチェーン上のデジタル所有権:
VeChainは、オーソリゼーションベースのデジタル所有権管理を可能にするカスタム調整されたスマートコントラクトを使用します。VeChain IDで表されるオブジェクトの所有権は、公開鍵と秘密鍵を組み合わせた鍵ペアを持つアカウントにリンクされています。

Proof of Authority(PoA)とは?

従来のPoWやPoSが誰でも自由参加できるコンセンサスアルゴリズムであることに対して、このProof of Authority(権威の証明)では限られた人だけがブロックの承認に立ち会うことができます。そういう意味では今のリップルコインのPoCに似ている部分もあると思っています。

VeChainでは、VeChainThorにリブランドした後にこのブロックチェーンコンセンサスの定義を公式で発表しています。
つまり、VeChainThorのブロックチェーンではこの方式を使うということです。

この方法では、すべてのブロック生成者(ブロックプロデューサー)は、財団によって身分を確認されます。
そして、このブロックチェーンでのブロック生成者は代表として101人という限られた人数のみ選ばれ、Authority Masternode(AM)と呼ばれます。
※ノードの分類上は”Thrudheim Masternodes”と呼ばれているようです。

これの資格を得るには、VeChain Foundationに申請して、自分の身分を証す必要があるとのことです。

具体的には、
・合法的な身元(要KYC検証)
・250,000以上のVET
・最低限ノードとして機能するサーバー
これらが必要になリます。

実際になれる人は以下の関係者に限られます。
・企業関係者
・ブロックチェーン開発チーム
・ビジネス開発大使
・コミュニティ寄稿者
・学術研究パートナー

実際に決定権を得ると、そのAMのブロックプロデューサーたちは擬似ランダムプロセス(DPRP)と呼ばれるランダム要素によってブロック生成権利を得るようです。※つまりPoWのように競争しません。

ここまで聞くと、これが今までのブロックチェーンの非中央集権に反することがわかりますが、VeChainが求めているものはあくまでブロックチェーンの絶対的な透明性であり、別に非中央集権であろうがなかろうが関係ないような感じがしますね。

ブロック生成者が限られている以外は他の承認方法とほぼ一緒です。
ちなみにブロック生成に対するインセンティブは自動的に生成されるVeThorトークンとユーザーが手数料として払うVeThorトークンの30%です(70%はバーン)。

この方法を使うメリットは以下の通り
・コストが安い
・承認が早い
・ハードフォークのような内部分裂がない

逆にデメリットは以下の通り
・中央管理的
・団体の信用が必要

このほか、VeChain Thorでは3つのノードが存在します。
・Strength Nodes(ストレンジ・ノード):最低10,000 VET
・Thunder Nodes(サンダー・ノード):最低50,000 VET
・Mjolnir Masternodes(ミョルニル・ノード):150,000 VET
これらはさっきのThrudheim Masternodesの下の位置にあるノードのようですね。

名前は見ての通り、あの北欧神話に登場する神になぞって名付けられているみたいですね。
ちょっと中2っぽいです・・・。

ちなみに3月20日に、Xノードと呼ばれる一種のスターターバージョンのノードを作る機会が与えられていました。
これは通常のノード構築よりも少ない6000 VETあればノードを構築できたようですね。

ICOプラットフォームとしてのVeChainThor

5月18日に公式発表で、このVeChainThorブロックチェーンを使った最初のICOが発表されています。

もともとイーサリアムをもとに作られたシステムのため、そのままこのシステムを利用して別のプロジェクトも支援するような形になっているようです。

参加したICOは、プレーア財団が進めるゲームプラットフォームのプロジェクトPlair(PLA)です。

VeChainのVENトークンとVET、VeThorの違い

この仮想通貨ではだいたい3つのトークンの名前が上がります。

VeChain Token(VEN)
VeChain Token(VET)
Thor Power、またはVeThor Token(VTHO)

この3つですね。

現在(2018年5月時点)の取引所では、VeChainエコシステムで使用されるトークンとして、VeChain Token(VEN)が扱われています。
一方でVeChain公式では、このトークンはVETと呼ばれています。

このプロジェクトは、今はVeChainシステムをイーサリアム上に展開していますが、今年の5~6月には別に新しくVeChainThorブロックチェーンを起動して移行します。

そうなると、今現在使われているVENと、”VeChainThor Blockchain”起動後の専用の通貨であるVeChain Token(VET)は別のトークンとして機能します。

起動後は手持ちのVENに対して1:1の割合でこのVETに変換されます。

そこのネットワーク上ではこのVETトークンがVeChainThor内の価値ある通貨として機能します。
その他、このトークンを持っていると、その分だけネットワーク内のリソースを占有して使用する権利を得ることができます。

もう一つのVeThor(VTHO)は、VeChainの内部の各種手数料です。
こちらは完全にネットワーク内での支払いに関わるトランザクションとスマートコントラクトのトランザクションを実行するためのコスト(手数料)として機能します。
NEOとGASのような関係性ですね。

公式の説明では、このThor Power(VTHO)はNEOのGASと同じく、最低でも1日1VETあたり0.00042THORの配当があるようです。

この詳しい配当率はすでに専用の計算サイトがあるので、詳しく計算したい人は次のリンク先のサイトで計算してみてください。
vechainthorcalculator.io

最近では、ビットコインのように価格が上がりすぎて本来の取扱ができなくなるような事態を避けるために、あえてプロジェクト内に二つ以上のトークンを作ることが流行っています。

VeChainの将来性とメリット・デメリット

プロジェクトは主に、中国圏の偽物ブランド、食品偽装などの防止策として考えられているようです。
2016年10月11日、中国の「東京ガールズコレクション」ー上海ファッションウィークの時には、VeChainは数多くの有名人が愛用しているブランド「Babyghost」とコラボレーションして、全ての服にVeChainのチップを内装したそうです。
businessblockchainより

その他、ノルウェーの企業DNV GL(デット・ノルスケ・ベリタス)や、PwC中国、PwCシンガポールなどとも提携済み。

なお、もっとも重要な点は、なんと仮想通貨関連を毛嫌いしていたあの中国政府がこのプロジェクトとパートナーシップを提携したという点です。

その後、5月16日には中国国内で第2位の食品会社で、上海市政府の完全所有子会社である”ブライトフーズ社”とそこのIT子会社上海シャンダオフーズと提携して、ブロックチェーン技術を導入することを進めています。

参考記事:medium.vechainofficial

プロジェクトでは、自身のブロックチェーンをIoTやサプライチェーン以外にも幅広く対応することを指して、Blockchain Xと呼んでいるようですが、この規模の活動を見ているとあながち間違っているわけでもなさそうですね。

この財団は、そもそも明確な目標を持っているようで、当初からbitcoinの持つ完全個人主義とは相反する、社会的コンプライアンスに遵守することを主張しています。
investinblockchain.com

具体的にはその国が持つ法的ルールを優先的に守って、その上でプロジェクトを進行させるという意味ですね。

かなり現実的な考え方だと思います。

まとめると、

メリットとしては今のリップルのように企業に焦点を当てて、かなり順調にプロジェクトを進めることができる部分があるところ。
現に国のルールに従っているため、厳しい中国でも採用されています。

ということは今後日本でも採用される可能性がかなり高いです。

現にかなりマイナーなところではありますが、日本の仮想通貨取扱登録業者として認定されているBitOceanとすでに提携しています。

今はまだ、取扱通貨として登録されていないようですが、明らかに上場に近いところまで来ているのがわかります。
参考情報:haruhiko-zht.com

デメリットは正直な話、今の時点では特に見当たりません。
いやほんとに・・・。

ホワイトペーパーもかなりボリュームがありますし、鬼門である匿名通貨機能が備わっているわけでもありません。
今の段階では非の打ち所がありませんね。

VeChainの購入方法

購入やとりひきを行うのであれば、海外の取引所Binanceを使うのが無難です。

または暗号通貨両替所のchangellyを使って手早く自分の懐に入れる方法もあります。
この方法なら交換をはじめて大体15分程度でほしいコインが手に入るので、せっかちな人はこっちのほうが便利です。

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