イカの塩辛が生臭い・まずいと感じる理由と、おいしく食べる5つの方法

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イカの塩辛って、好きな人はとことん好きですが、「生臭くてちょっと…」「正直まずい」って人も結構多いですよね。

以前、酒盗の記事でも書きましたが、僕ももともと生臭いものはちょっと苦手なタイプでした。

で、イカの塩辛が生臭い・まずいと感じる原因は、大きく分けるとワタ(肝臓)の風味、塩分と熟成の違い、保存状態の3つです。塩辛そのものが合わないというより、選んだタイプや食べ方が合っていないだけ、ってことも多いんです。

今回は、塩辛のタイプごとの違いと、生臭さを抑えておいしく食べる方法、あと低塩タイプを食べるときの注意点をまとめてみます。

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イカの塩辛が生臭い・まずいと感じる3つの理由

そもそもイカの塩辛は、生のイカの身とワタを塩と合わせて作る食べ物です。火を通さないので、原料の状態や作り方、保存のしかたが、味と香りにそのまま出ちゃいます。

ワタ(肝臓)の風味が強い

塩辛のあのコクと独特の香りは、身と一緒に合わせるワタから来ています。ただ、このワタこそが生臭さの原因にもなるんですよね。

農林水産省が紹介している富山の黒作りの作り方では、ワタに塩をまぶして一晩寝かせて、水分をしっかり抜くことで生臭さがなくなるそうです。つまり、ワタの下処理や量次第で、臭いの感じ方はかなり変わるということ。

塩分と熟成期間で味がまったく違う

塩辛には、塩をしっかり効かせて時間をかけて熟成させる昔ながらのタイプと、塩分を抑えて短期間で仕上げる低塩タイプがあります。

厚生労働省の通知では、低塩タイプの例として「塩分濃度は4%前後、仕込み期間は概ね1日から3日」の製品が挙げられています。数日で出来上がるものもあるんですね。

項目 熟成タイプ 低塩タイプ
塩分 高い 低い(4%前後の製品もある)
仕込み期間 長い 短い(1〜3日程度の製品もある)
味の傾向 塩気が強く、熟成による濃い風味 塩気がやわらかく、和え物に近い
保存性 比較的高い 低く、一貫した低温管理が必要

熟成タイプは「しょっぱいし臭みが強い」、低塩タイプは「物足りない」「なんか甘い」。こんな感じで、同じ塩辛でも感想が真逆になったりします。

なので、一度食べて合わなかったとしても、タイプを変えると意外といけるかもしれません。

補足日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、いかの塩辛(試料は赤作り)の食塩相当量は可食部100gあたり6.9g。小皿1杯を20gとすると約1.4gです。おいしいからといって食べすぎには注意しましょう。

保存状態が悪く風味が落ちている

塩辛は加熱殺菌された食品ではないので、温度管理の影響をもろに受けます。特に低塩タイプは、塩による保存効果があまり期待できません。

冷蔵庫の外に長く出しっぱなしにしたり、開けてから日数がたったりしたものは、本来の風味から変わっていることも。保存方法と賞味期限は、ちゃんとラベルの表示に従いましょう。

赤作りと黒作りの違い

スーパーでよく見かける一般的な塩辛は「赤作り」と呼ばれます。一方、富山の名産として知られているのが、イカ墨を加えて作る「黒作り」です。

項目 赤作り 黒作り
主な材料 イカの身、ワタ、塩 イカの身、ワタ、イカ墨、塩
見た目 身にワタが混ざった色 イカ墨で黒く光る
味の特徴 ワタのコクが前に出る 生臭さが少なく、塩味がまろやか
位置づけ 一般的な塩辛 富山県を代表する珍味

見た目は真っ黒なのでちょっと身構えますが、農林水産省によると、イカ墨にはうま味成分のグルタミン酸やタウリンが豊富で、黒作りは赤作りより深みのある味わいで生臭さも少ないんだとか。

生臭いのが苦手な人ほど、むしろ黒作りのほうが合うかもしれません。

ポイント赤作りの生臭さが苦手なら、黒作りや、自分に合った塩分のタイプを試してみるのが近道です。食べ方を工夫する前に、まずは選ぶ塩辛を変えてみましょう。

生臭さを抑えるイカの塩辛の食べ方・アレンジ5選

ここからは、生臭さを抑えて食べやすくする方法です。

1. 薬味や柑橘で香りを足す

一番手軽なのがこれ。ゆずの皮、大葉、刻みねぎ、七味唐辛子なんかを少しのせるだけで、香りが加わって生臭さが気になりにくくなります。レモンやすだちを数滴たらすのもアリです。

2. じゃがバターにのせる

もはや定番の組み合わせ。蒸したじゃがいもにバターと塩辛をのせるだけです。

じゃがいもの甘みとバターのコクで塩気がやわらいで、ワタのうま味がソースみたいな役割をしてくれます。塩分と脂分のかたまりなので、食べすぎには気をつけて(笑

3. 炒め物やパスタで加熱する

生のままだとどうしても…という人は、火を通すのもひとつの手です。加熱すると生の香りが抑えられて、香ばしい風味に変わります。

キャベツと炒めたり、にんにくとオリーブオイルでパスタにからめたりすると、塩辛がほぼ調味料になります。塩辛自体に塩分があるので、味付けの塩は控えめで。

4. ご飯やお茶漬けにのせる

農林水産省の紹介でも、黒作りは酒のつまみのほか、ご飯にのせたりお茶漬けにしたりして食べられているそうです。

温かいご飯や出汁と合わせると塩気がやわらいで、そのまま食べるよりぐっと食べやすくなります。

5. 相性のいいお酒と合わせる

やっぱり塩辛といえば酒の肴。少しの量でお酒がどんどん進みます。

冷酒から熱燗までいける日本酒なら黒松剣菱を冷酒・常温・熱燗で飲み比べた記事、淡麗な日本酒とおつまみの合わせ方は越乃寒梅の飲み方とおつまみの選び方で書いているので、よかったらどうぞ。

カツオの内臓で作る塩辛「酒盗」が気になる人は、酒盗の臭みと美味しい食べ方をまとめた記事もぜひ読んでみてください。

低塩タイプの塩辛を食べるときの注意点

低塩タイプは食べやすい反面、保存性が低いのが弱点です。実は過去に、低塩タイプの塩辛が原因で大規模な食中毒も起きています。

注意2007年、宮城県で製造された低塩分のイカの塩辛を原因とする腸炎ビブリオ食中毒が発生し、12自治体で患者数595名(推定を含む)に広がりました。厚生労働省の通知では、塩分濃度が4%前後と低く食中毒菌の増殖を抑える効果が期待できない製品だったにもかかわらず、原材料の衛生管理と製造施設での低温管理が不適切だったことが主な原因と推定されています。

厚生労働省はこの件を受けて、同じ種類の食品について、製造から販売まで一貫した低温管理(10℃以下)を求めています。家でも、このあたりは守っておきたいところです。

  • 買ったらすぐに冷蔵庫に入れる
  • 食べる分だけ取り分けて、残りを常温に長く置かない
  • ラベルの保存方法と賞味期限を守る

手作りする場合はアニサキスにも注意

塩辛は生のイカを使うので、イカに寄生していることがあるアニサキスにも気をつける必要があります。

厚生労働省によると、一般的な料理で使う程度の塩漬けでは、アニサキス幼虫は死にません。塩で漬けてるから大丈夫、というわけではないんですね。予防には、-20℃で24時間以上の冷凍、または70℃以上(60℃なら1分)の加熱が有効とされています。

自分で塩辛を作るなら、新鮮なイカを選んで目でしっかりアニサキスを取り除き、一度しっかり冷凍してから使うようにしましょう。

この記事のまとめ

  • 生臭さ・まずさの主な原因は、ワタの風味、塩分と熟成の違い、保存状態の3つ
  • 熟成タイプと低塩タイプ、赤作りと黒作りで味は大きく変わるので、まずタイプを変えてみる
  • 薬味、じゃがバター、加熱調理、ご飯・お茶漬け、お酒との組み合わせで食べやすくなる
  • 低塩タイプは10℃以下での保存を徹底し、手作りする場合はアニサキス対策も行う

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