異なるブロックチェーンを繋ぐWanchain (ワンチェーン:WAN) とは? 特徴や将来性、チャートなど

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最近は異種のブロックチェーン同士を繋ぐ暗号通貨プロジェクトが現実味を帯びてきました。
こういったプロジェクトは多数存在しますが、今回はその中でも、中国のrippleと呼ばれるWanchainというプロジェクトを紹介します。

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Wanchainの特徴

通貨名(通貨単位):Wanchain(WAN)
最大供給量:210,000,000 WAN
ネットワーク:ERC20、イーサリアム(現在メインネットに移行中)
システム(アルゴリズム):PoS(Proof of Stake)
公開日:2018年3月
開発元:中国、WANCHAIN財団
代表(CEO):Jack Lu(ジャック・ルー)
公式:wanchain.org
ホワイトペーパー:wanchain.Whitepaper
公式ブログ:medium.wanchain

Wanchainは、分散した「銀行」を構築することを目指しています。
Wanchainは分散した方法で異なるブロックチェーン元帳の間で価値を結びつけ交換します。

最新の暗号理論を使用して、非独占的なクロスチェーンプロトコルと、クロスチェーンとイントラチェーンの両方のトランザクションを記録する分散元帳を構築します。

プロジェクトは2017年7月にICOを実施して、2018年3月にはBinanceに上場しています。
CEOのJack Lu(ジャック・ルー)氏は過去にFactom(ファクトム)を立ち上げた開発者(CTO)の一人です。

ファクトムといったら書類やデータなどをブロックチェーンに載せて管理する方法を提案しているプロジェクトで、2014年からある仮想通貨ですね。

今回のWanchainというのは、他のICON、Aionなどのプロジェクトと同様に異種のブロックチェーンをまたいで情報を伝達する方法を開発しているプロジェクトで、従来からある仮想通貨との違いとして、匿名のブロックチェーンを採用しているところを強調しています。

また、異種の通貨の橋渡しをするという意味では、rippleと同じような意味合いも兼ねていますが、こちらは今のrippleよりも非集権的であるという部分も強調されています。

Wanchainの機能は以下のとおりです。
・クロスチェーン機能
・通貨のブリッジ機能
・匿名性機能
・スマートコントラクト貸出機能

※Wanchainは、もともとはイーサリアムのフォーク(分岐)です。
そのままイーサリアムの機能を保持していますが、現在はWanchaiのメインネットが完成したらしく、ERC20 WANをこのWan coinと1:1で交換する手順が公式のCoinswapでアナウンスされています。

これに先立ち、各取引所や紹介サイトもWAN tokenからWAN coinに名称と内容が変更されています。

異なるブロックチェーンを繋ぐ必要性

現在は、多種多様の仮想通貨が世に出回っています。
代表的なもので言うと、bitcoinやイーサリアム、Rippleなど。

いずれも素晴らしい機能を持った暗号通貨ですが、大きな問題点として、これらの通貨は互いに相互性が無いということが挙げられています。

普通一つのブロックチェーンは、別の種類のブロックチェーンと合体することはできません。
ましてや、一方のブロックチェーンにある記録を、別の種類の違うブロックチェーン上で上書きすることなんてことも到底できません。

そういうわけで具体的には、たとえば以下のような不都合が出てきます。
・イーサリアムのスマートコントラクトをrippleで実行できない
・rippleで商品を買って、bitcoinのブロックチェーンに購入記録はできない
・ビットコインの履歴をイーサリアムで確認できない等・・・。

意外なことですが、なんだかすごそうなブロックチェーン技術でも未だに相互に情報を送り合うことができていないのが現状です。

こういう問題は、それぞれの仮想通貨が産業に普及すればするほど問題視されるようになり、一方の会社でrippleの決済方法を採用しているのに、もう一方の提携会社ではbitcoinの支払い方法を使っているので、顧客はそれぞれ分けて別々で把握しなければ行けない状態に陥ります。

数種類の仮想通貨であればまだいいかもしれませんが、今後何十種類ものブロックチェーンが出てくると、それを使う側としては管理するのにかなりの労力を割くことになります。

今、話題になっているブロックチェーン3.0と言うものはこういった問題に着目しており、ある意味ブロックチェーンを繋ぐためのブロックチェーンとしてWanchainのようなプロジェクトを進めているところが多いです。

※ちなみにこういう考え方自体は、サイドチェーンと呼ばれる技術として2014年時点ですでに発表されています。

Wancoinの使いみち

WancoinはWanchain上のネイティブコインです。
ネイティブコインとは、そのネットワーク上でかならず必要になるコインのこと。

用途は主に手数料として扱い、クロス・トランザクションとイントラ・チェーン・トランザクションで、一定量のWancoinを消費します。

また、クロスチェーンの検証ノードのセキュリティデポジット(信用のために一時的に預けること)にも使用されます。

イントラチェーン取引機能

いわゆる匿名性機能

Intra-Chain Transactions(イントラチェーン取引)では、通常のトランザクションに、プライバシー保護のシステムを採用。

Moneroなどで使っているリングシグネチャ(リング署名)ワンタイムアカウント(使い捨てアカウント)をここで採用しているようです。

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リングシグネチャ(リング署名)では、トランザクションの送信者(アカウントキー)を他の偽物情報と途中でミックスして、見た目的に送信者を追跡不能にします。

ワンタイムアカウントでは、毎回違うアカウントを生成して古いアカウントを使い捨て状態にします。

これのオプションとしてワンタイムアドレス(OTA)と言うものがありますが、これは手動でできなくもないです。

ただ、毎回アドレスを変更するのはめんどくさいので、勝手に一回一回変わる機能は便利だと思います。

これらの方法によって、Wanchainでは送信者の匿名化やスマートコントラクト自体を匿名の状態に変えることが可能になるようです。

プライベート・センド機能

匿名通貨DASHで使われている機能。

トークン送信者のコインを一箇所のプールに集めてシャッフルし、あたかも共同で送信するように見せる方法です。

クロスチェーン機能

チェーン間の相互機能

Cross-Chain Connection(クロスチェイン接続)では、
例えば、Ethereumブロックチェーン上で設定したスマートコントラクト情報を他のアルトコインで実行できたりします。
この際に使われるEtherコインも、他のアルトコインに(実質)移動できます。

具体的な仕組みを話すと、コイン(情報)の移動では以下のような手順を踏みます。

①橋渡しする元のブロックチェーンをWanchainに登録させる
②登録したチェーンにおいて、転送する資産を登録する
③Wanchain上で元のブロックチェーン上の資産をロックして使えないようにする
④移転先のブロックチェーン上では、スマート・コントラクト・トークンと言う形で移動元と同等のトークン量(情報)を保持する

Wanchain上で擬似的に交換しているようにみせて、移転元と移転先のトークンや情報をスマートコントラクトでつなげているような状態になります。

スマートコントラクトでは透明で、偽りのない情報処理を行えるはずなので、この操作によって確実に”交換している”証明を作ることができます。

トークンの移転では以下の2つの方法を担当するノードが執行することで成り立っています。
移転元のトークンをロックするToken Locked Flag (TLF)
移転元のトークンロックを解除するToken Unlocked Flag (TUF)

対応する3つのノード

アルゴリズムはPoSで、Wanchain上のバリデータがブロック処理を担当しますが、実際の移転に関してはまた別のノードが担当しています。

バウチャー:
元のアカウントとロックされたアカウントとの間のトランザクションの証明を行うノード。
インセンティブとして、ユーザーが支払った手数料の一部を貰えますが、最初はデポジットと言うかたちで人質に取られます。
きちんと証明が合っていて初めてデポジットされた金額が手に入ります。
Storeman:
ロックアカウントを操作する権限を持ち、管理します。
こちらも同じくインセンティブとして手数料の一部をもらえます。

Wanchainの将来性は?

現在、Wanchainは他の同類のプロジェクトを進めているICON、Aionと“Blockchain Interoperability Alliance”(ブロックチェーン相互運用性連合:BIA)と呼ばれる同盟を組んで、互いに支援しあっています。

そのため、これらは一つの目標に沿って大きな流れを作っていて、他のプロジェクトよりも進歩状況が好調な感じがします。

また、いずれの仮想通貨もランキング上位にあるので、この手のプロジェクトとしての注目性も高いことがわかります。

Wanchainのロードマップを見る限りは、今年の6月にメインネットWanchain 2.0、12月に3.0、更に2019年12月に4.0までの発表を控えていますが、そのバージョンの手前1.0はすでに計画通りリリースされているため、単品での進歩状況も問題ありません。

逆に問題点としては、拡張性が旧型のイーサリアムと同等であるところ。

ビットコインやイーサリアムでは、現在容量の問題で色々とゴタゴタしていますが、将来的にはこの辺をどうにか改善していく必要性が出てくるはずです。

今現在は、通貨の人気自体にこの問題が付随している様子は無いようですが、この先知名度が高くなるに連れていずれは改善するべき事となるでしょう。

一方でチャートの状態を見ると、まだそれほど日は経っていないにせよ、特に乱れることなく安定した値動きを示しています。

Wanchainの購入方法

海外の取扱所
binance.com
kucoin.com
など、まだ上場したてという事もあって、あんまり扱っているところは少ないようです。

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