東シナ海のタンカー事故、石油13万6000トンが九州中心に流れ出している緊急事態

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上海沖での衝突事故後に炎上しながら漂流していたイランの石油タンカー、サンチが14日午後、爆発を起こして東シナ海で沈没した。中国中央テレビ局(CCTV)が中国国家海洋局の情報を引用して伝えたところによると、10平方キロメートルにわたって油の「深刻な」流出を招いているという。
bloomberg

あまり、大々的なニュースになっていないようですが、1月14日にイランの石油タンカー「SANCHI」が長江河口沖300キロで中国の貨物船と衝突、爆発を起こして東シナ海で沈没したとのニュースが発表されています。
また、乗組員32人については、イラン当局者から同日、全員が死亡したと推測されると述べられています。

学術雑誌ネイチャーでも同様に状況を記事にして公開。

流出した油は、コンデンセートと呼ばれる揮発性のオイルで、各メディアによる報告だと、大部分は炎中で消費され、海に流失した油に関しても大気中に蒸発していくそうです。ただ、そもそもどのくらいの規模で拡散しているかが判明していないとのことで、環境リスクに対する完全な評価は未だ出来ていないのが現状です。

また、コンデンセートに硫化水素やメルカプタンという有毒成分が含まれているそうで、揮発により大気汚染も懸念されます。
いうまでもなく、水中の生物に対しては深刻な被害が出る可能性が高いです。
参考情報:greenpeace.org

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被害区域

現状では推測の域ですが、海外では幾つかのパターンが予測されているそうです。

サウサンプトンの科学者たちによる意見では、凝縮物が地域的に重要な黒潮の流れに入り、「九州、四国、本州の島々をすばやく輸送し、2ヶ月以内に大都市圏に到達する可能性がある」と予測しています。

ecowatch.com

あくまで予想の範囲でしょうが、驚愕の画像です。

日本自体の影響云々よりも長崎地元の僕としては、長崎区域への影響が心配です。
画像では影響の中心にあるようにも見えます。

また、すでに鹿児島県の奄美大島では、海岸の広い範囲にわたって油のようなものが漂着しているのが見つかっていることが報告されています。画像では重油のような黒い物体に見えますが、コンデンセート以外にタンカー本体の燃料である重油約1900トンも漏れている可能性があります。

news.tv-asahi.co.jp

現状の対応策

中国交通運輸省では1日に北京で記者会見を開き、船体の引き揚げも検討するとの旨を伝えています。

現在、油の除去作業には中国当局の船5隻のほか、日韓の応援も得ているそうです。
海面に800メートル近い吸油ロープを張るなどして流出を抑えようとしているとのこと。
huffingtonpost.jp

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